Download 頭のなかの性 Ebook ePub J.ハインリヒ (著) 00022322

頭のなかの性


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Download 頭のなかの性 Ebook ePub J.ハインリヒ (著) 00022322 - 女は踏みつけにされる側の世界に属しているのだ、とコニーは父と母の関係から、少女の時に既にそう悟る。やがて父が死ぬが、母は哀悼だけに生き、娘に関心を示さない。コニーは新たに自分の場所を探し始める。【「TRC MARC」の商品解説】

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Details of 頭のなかの性

Book's Title頭のなかの性
AuthorJ.ハインリヒ (著)
ISBN-104-88629-490-1
Category小説・文学の通販
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Customer's Rating未評価 stars of 5 from 1 Readers
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自らの性を獲得することに目覚めるまでの物語 **  この小説のドイツ語のオリジナル・タイトルを直訳すると「思考の性」。ものごころついてから思考のなかに刷り込まれた性(ジェンダー)をめぐって傷つき、もがく主人公コニーの少女時代と、大人になるまで、といいたいところだが、成人してなお他人を傷つけることで性に抗う姿が描かれている。 少女のコニーにとって、父親は「馬」=圧倒的な支配者、母親は「蟻」=夫の反応にびくつく卑屈な奴隷であった。両親の主従関係を目の当たりにするうち、コニーは自室から聴く物音だけで、家の中で何が行われているのか容易に想像できるようになっていた。床に横たわって頭をドアの隙間に置くと、母親の背をまるめて家事をする様子が、あるいは両親のベッドと壁一枚隔てて隣り合う自分のベッドで、手術台に横たわるかのような母親と浴室から出て裸で敷居に立ちはだかる父親の姿が、ありありと見えていた。儀式の翌朝の食卓では、母親の顔に卑しめられたような表情をすかさず見てとる。幼くして、盗聴器のように発達した耳と、鋭敏な観察力を身につけていた。 男女ともに当てはまる名前であるコニーと名づけられていた彼女が「父の方が母よりも望ましい人生を送っているような気がして、強い方の味方についてしまった」のも無理からぬことで、自らの性を受け入れることを拒む。しかし、「父は、所有欲にかられたときとか、感傷的な瞬間にしか寄せつけようとしなかったので、絶えず父の愛情を求めながら生きることになり、そのことによって母を裏切り、母に対する自分の愛をも裏切った」彼女は、両親のどちらの性をも否定する。 コニーの抵抗が形となって表れるのは、父親の厳命でカラフルなワンピースを着せられることによって、性を押しつけられてからだ。村の少年や踏切番の男をコニーは挑発的な姿態で誘い、相手が飛びついた途端にひどいしっぺ返しを食わせる。男の関心を自分に惹きつけ、弄ばずにはいられない彼女の心には、最後まで得られなかった父親の愛への渇望と、母親を支配し続けた男への復讐が同時に存在しているのだ。さらに、コニーの標的は女たちへも向けられる。男に尽くし、男を待つ女たちに、その存在を否定する言葉を投げつけ、女たちを誘惑するのは、自らが男に代わって支配者となる願望ゆえだ。父親が亡くなり、母親が恋人をつくるに至って、ようやくコニーは新たな自分を獲得しなければならないことを悟って物語は終わる。 1940年生まれの著者の描く忍従を強いられる女性たちは解放を知る以前の控えめな姿だが、それに反発するコニーの行動は、1970年代前半に書かれた作品であるにもかかわらず、現代の女性たちに大いに重なる。筆者の緻密な描写により、病的なまでに閉塞したコニーの心理が息苦しいほどであり、問題の根深さを訴えている。 (bk1ブックナビゲーター:井上真希/翻訳・評論 2000.7.11)